マンション経営のメリットとリスク
マンションを経営するうえでメリットとリスクを知ることは大変重要です。以下にマンション経営のメリットとリスクをまとめてみました。
【メリット】
1. 不労所得を得られる
株やFXなどの金融商品に対する投資だと、常に、経済動向や為替動向に気を配り、情報収集に努めなければなりません。しかし、ワンルームマンション投資は賃貸・管理体制さえしっかり選択すれば手間のかからぬ投資といえます。
ワンルームなどの投資用不動産販売会社は、たいていグループ内や系列会社として賃貸付けを行う会社や管理を行う会社を擁し、テナントの募集や入居者のクレーム対応、修繕、家賃の回収、確定申告に到るまで代行システムが構築されています。そのネットワークを生かして借り上げ保証やサブリースなどを利用すれば、まったく手間がかかららなくなります。
つまり、マンション経営はどの会社がしっかりしているかの見極め、一度軌道に乗せてしまえば、安定収入を長期間継続的に得ることができ、極端な言い方をすれば、働かなくても収入があるという“不労所得”を得ることができるわけです。
2. 節税効果
・所得税・住民税の節税効果
サラリーマンの方がマンションのオーナーになると、給与以外に、マンション経営による「家賃収入」を得ることとなり、「給与所得」と「不動産所得」の2つの収入源ができることとなります。サラリーマンの給与は、給料を受け取った時に既に所得税と住民税は差し引かれていますが、マンションなどの不動産を人に貸している場合は、その収入について確定申告をすることになります。
「不動産所得」とは家賃収入からローン金利・減価償却費・固定資産税・管理費等、マンション経営を行うにあたって発生する「経費」などを引いたものです。この必要経費が家賃収入を上回った場合は、当然赤字になります。この赤字分は給与所得から差し引くことができます。これを損益通算といいますが、つまり、すでに源泉徴収されている所得税のうち赤字相当分の税金が、確定申告をすることにより還付され、住民税も軽減されることになるのです。損益通算による減税効果は予想以上に大きく、時には納付額が4割近くも少なくなることもあるようです。
このような仕組みをうまく利用することで、サラリーマンでも大きな節税効果を受けることが可能となるのです。
・相続税の節税効果
相続税対策としてもマンション投資は大変に有利になります。どうして不動産投資が相続税対策になるかといえば、不動産は相続税を算定する際の評価が低くなるからです。現金などの金融資産は額面がそのまま評価額になりますが、マンションは原則的に「相続税評価額」に基づいて税額計算がなされ、建物の部分は購入価格の50%程度、土地部分は公示価格の約80%程度が相続税評価額となるのです。
さらに、賃貸マンションとするならば、借家権利割合と借地権利割合が適用されて評価額がいっそう低下します。 およそ、金融資産を100とすれば、賃貸マンションは約25%~35%の評価となり、それだけ相続税の大幅な節税が効果が見込めるのです。
3. 生命保険代わりに
マンション経営で、住宅ローンを使ってマンションをご購入の際には、「団体信用生命保険」に加入することになります。「団体信用生命保険」とは、住宅ローンの融資を受けている本人が亡くなった場合や重度の障害を負った場合、残りのローンの返済を保険会社が担う保険で、通常の生命保険に比べ、掛け金が安く設定されています。
もし、万が一の場合が生じたとき、遺されたご家族には、無借金のマンションを相続すことができ、相続したマンションは月々の定期収入となります。また、必要に応じて売却すれば、まとまった資金を手にすることも選択できます。
このように、マンション経営には万が一の時の生命保険と似た機能が備わっており、現在加入されている保険のスリム化が行えます。
4. 年金制度の補完
これから年金がどうなっていくのか、ちゃんともらえるのだろうかと、多くの人が不安を抱えています。サラリーマンの方が定年退職されたあと、夫婦2人で受けられる公的年金の支給額は、現在1カ月で24万円前後。夫婦2人がゆとりある生活を営むには月額37万3千円が必要との調査結果もあり、不足分は預貯金等を取り崩して補っているのが現状です。これから先、なおいっそう年金の支給額が減る可能性だってあることを考えると、もしマンション経営によって家賃収入にあれば、それを私設年金として公的年金の不足分を補完することができ、これは大変大きな安心につながります。
近年、私設年金としてマンション経営をする方が増えているのは、まさに公的年金の支給額の限界と不安を背景に、老後の不安を解消する為、長期に渡り安定した収入を確保出来るのが、その理由として挙げられているのです。
5. 小額で始めることができ高利回り
マンション経営は、ローンを組むことができるので、小額から始めることができます。しかも、地下の下落と超低金利によって月々のローン返済の負担は軽くなり、ほとんどが賃料収入でまかなえます。それでいて、高利回りで資産運用が可能です。銀行や生命保険の、利回り1%にも満たない低水準に対し、立地の良いマンション経営における利回りは5~6%と高い水準を保っています。そういった事からも、利回りという点では他の金融商品と比べて群を抜いています。マンション経営は、景気低迷が続く今だからこそ有利な投資商品だといえます。
6. 時には売却益も得られる
毎月の安定収入は不動産投資の1つの魅力ですが、投資する物件によっては売却による利益を得られる可能性もあります。バブルの頃とは様子は違いますが、景気が世界的に低迷していう今、やがて日本経済が成長し、再び地価が上昇することによって売却益が得られることもあるかもしれません。
不動産価格は、その不動産から得られる収益をベースに決定しますので、投資家自身の工夫、努力によって「収益」をアップさせることができれば、不動産の価値も上がり、売却益を狙える可能性も出てきます。
【リスク】
メリットが目立つマンション経営ですが、リスクも存在しています。
1. 空室リスク
マンション経営の初歩的なリスクとも言えるのが空室リスクです。マンション経営によって得られる収益の中心は、入居者から得られる毎月の家賃収入ですので、入居者が何らかの事情で退去した場合には、新たな入居者が見つかるまでの間は収入がなくなります。
この場合、注意しなければならないのは、空室になった場合、収支は0ではなくマイナスになってしまうのです。というのは、家賃収入の有無に関わらず、管理費、固定資産税、都市計画税などの経費が毎年発生するからです。そうなりますと、経営計画に狂いが生じます。特に借入金によってマンション経営を営んでいるケースには、毎月のローン返済を賄うことができず、自己資金を持ち出さなければならないかもしれません。
日本は少子化の傾向にあり、若年人口は年々減少しています。全国平均の空き家率は、12.2%にものぼり、特に東京以外の地方においては悪化傾向にあります。全国の持ち家比率は61.2%あり、こちらは増加傾向にあると言われます。つまり、残りの38%を賃貸マーケットで奪い合いということです。このことを考慮する必要があります。
ただし、東京など都心部に限って見てみると、状況が違うようです。都心回帰現象と未婚者、離婚者の増加に伴う単身世帯の増加により、都心部における賃貸物件の需要は年々増えてきているといわれます。
マンション経営のリスクを回避するためには、都心部での「好立地・好条件」を満たす物件を選択することが不可欠になります。東京の都心でロケーションを間違わなければ、まず長期間空室になることはありません。それでも心配な人は、サブリースシステムや、家賃保証サービスを利用すると良いでしょう。
2. 家賃滞納リスク
入居者がいても、経済的な事情や性質的な事情などによって家賃が遅れたり未納になったりする場合があります。家賃を滞納されてしまうと、毎月の収入がストップすることになり、本人はもちろんのこと連帯保証人への督促など、わずらわしい作業も多く発生します。また、滞納分を回収できる保証もありません。
さらに、もし賃料の不払いを理由に退去させる業務を、不動産業者や弁護士などに依頼した場合には費用の負担がともない、かつ次の入居者が見つかるまで、損失が続いてしまいます。
このようなリスク回避のためにも、入居者の審査を厳しく行うことは大切です。また、集金代行システムなどを利用して、煩わしい作業を代行してもらうこともできます。
3. 金利上昇のリスク
日本は低金利が続いていますが、もし金利が上昇すれば、借入金を活用する場合は、返済負担額が増えることになります。それに比例してすぐに家賃収入を上げるわけにもいきませんの注意が必要です。ただ、デフレからインフレへの変化により、家賃の上昇や不動産価格の上昇をもたらす可能性はありますので、必ずしもデメリットばかりではありません。支払い額の安定への対応としては、固定金利の選択や、繰り上げ返済の資金の確保などがあげられます。
5. 地震・火災等のリスク
日本は言わずと知れた「地震大国」です。毎年、大小の地震が全国各地で発生しています。大地震が起きた場合には建物が倒壊するリスクを背負っています。また、地震による倒壊と同様、火災による建物の焼失も不動産特有のリスクです。
もし地震や火災によって、マンションが損害をうけた場合、家賃収入が得られなくなるばかりか、建物を復旧するためのコストが発生するので、大変なリスクとなります。
このような災害リスクを減らすためには、たとえば、昭和57年以降の耐震制度が高くなった耐震性、耐火性の高いマンションに投資をしたり、地震保険に加入したりするのが良いでしょう。ただ、保険契約の内容をよく吟味しないと保障が受けられないケースや、保険金額が一定金額までしか出ないケースもあるので注意が必要です。また、火を使う量と頻度が高くなればなるほど、火災のリスクは高くなりますので、オール電化の住居で火災リスクを減らしたりするのも方法です。
逆に、都市計画の観点からも、古い木造住宅の密集地や前面の道路の幅が狭く、消防車両などが進入できないところは火災によるリスクが高いと言えるでしょう。
6. 修繕費のリスク
マンション経営における臨時支出として、建物を維持していく上での修繕費用があります。現在のマンションでは管理会社が長期的な修繕計画を作成しますので、そのためにも良いマンション管理会社を選ぶのも重要です。
マンション経営において、良質な物件を提供することが安定した収益を確保するための条件と言えますので、定期的なメンテナンスや、時には時代のライフスタイルの変化に合わせたリフォームが必要になる場合もあります。賃貸市場は借り手のニーズに合わせようとさまざまな仕様のものが登場し、競争が激しくなってきています。このようなことから、仕様の古い賃貸マンションは、必然的に競争力を失い、家賃の引き下げを余儀なくされ、空室になるリスクが高まっています。
中古物件に投資する場合は、購入価格が低くても、修繕コスト、リフォームが発生する可能性がありますので、あらかじめ試算してもらい、修繕コストも見込んだ上で経営プランを立てるのが望ましいでしょう。
7. 不動産価格低迷のリスク
バブル当時に8,000万円したマンションが、いまでは3,000万円くらいまでさがりました。それでも買い手がつかない物件も少なくありません。今では「アウトレットマンション」などという言葉で、マンションがたたき売りのように売買されています。
このように、不動産の価格が下落するというリスクが存在しています。ただし、逆に上昇するメリットもあります。これは誰にもわからないところで、もしリスクを避けたいなら、将来にわたって値下がりのしづらい地域を選ぶのが良いでしょう。
なお、家賃相場はマンションの流通価格への影響が比較的少ないため、市況が悪くなかったからといって家賃が急激に下がるということはほとんどありません。同様に、不動産価格が高騰したからといって、家賃を急激に上げることも実際難しいところです。
8. 低換金性のリスク
他の金融商品と比較して、不動産は流動性が低いと言われています。流動性とは、現金に代えることですが、不動産の場合、売却したくても、すぐに売却してお金に換えることができません。また、他の投資商品のように取引価格を把握することが困難で、売主と買主の事情によって大きく取引価格を左右することなどから、必ずしも相場に近い価格で素早く売却、現金化できるとも限りません。マンション経営は家賃収入を主な目的とした長期的なものですので、特にリスクとして意識されないかもしれませんが、マンション経営から撤退したい場合などは、注意が必要です。
ちなみに、ワンルームマンションとファミリータイプマンションを比較した場合、ワンルームマンションは人に貸して家賃収入を得るという需要が強いため、購入者層は投資家に限定されてきますが、ファミリータイプはそれに加えて実需目的の購入者層がいるため、ワンルームマンションに比べて流動性が高いと言えるでしょう。
9. 税制変動によるリスク
不動産は取得時、保有時、売却時とそれぞれの場面においてさまざまな税金が課されますが、税制の変化よって、不動産保有時のコストが上下することになり、経営プランの変更を余儀なくされる場合があります。一般的に税制の改正は毎年12月中旬に、政府与党から「税制改正大綱」としてアナウンスされます。その税制改正の内容を踏まえて投資のタイミングを見計らうことも、上手なマンション経営戦略のポイントです。